【15】

 子ガメ、大きくなぁ〜れ!

 アカウミガメ

 2002年5月

 
 

5月23日10時49分

飼育係さんが飼育プールの淵をたたいて
「ごはんだよ〜!」の合図

アカウミガメの子のエサ
(小エビ・イカの切り身)

 
     
     

プールのあちこちに散らばっていた子ガメが一斉に寄って来てエサをついばむ。

先日まで滋賀県立博物館へカメ展のため出張していたカメも無事帰宅して、全部で11匹勢揃い。

 

同居中の4匹のキイロハギ

エサのお残りと排泄物の
お片付けは〜お任せあれ〜。
10:54


お腹いっぱい〜、
お日様ポカポカ〜

逆立ちしたら〜底のエサに届くかな?
もぉちょっとだ、頑張れー!
  5分後、エサは食べ尽くされて  
残飯など無かった。
あぁ〜眠々〜Zzzzz〜〜〜

 

泳ごぉー 泳ごぉー わたしは〜元気〜 泳ぐの〜 大好き〜 ドンドン泳ごぉー 
 

 

 

昨年7月下旬に姫路市立水族館で孵化した子ガメ(生後約2週間目)  2001.8.5撮影
徳島の海岸で天然亀が産卵した卵から10匹孵化 姫路市立水族館で水中産卵した卵から5匹孵化


10ヵ月後の現在

徳島産の子ガメたち

1匹だけ生存中の姫路市立水族館産の子ガメ↑    ,

 

 89個産卵→5個体孵化→1個体だけが生き残っている(1個体しか生き延びられていない)
、、、この現実に唖然。
母亀の
オセキハンの産卵は1回だけでなく、昨シーズンは総計で200個ぐらいは産んでいるらしい。
そしたら200分の1の生存率なのか?
と更に唖然としたのだが、それに対する飼育係さんの見方は違っていた。

一目でわかるように、姫路産の個体は一周りも二周りも小さくて、甲羅の形が長細くウミガメらしくない。
徳島産に比べて喰らい付きも良くない。
気をつけて食べさせるように配慮しても、自分で積極的に食べる意欲がなければどうしようもない。
強制給餌ですか? 
そんなことをしなければならないようでは、先々生きていかれないですよ〜。
多分、自然界では逞しく生きていかれずにエサにされてしまうような個体でしょう。

なんせ母亀がここで生まれ育った人工飼育亀だから、エサにどうしても偏りがあるから、卵質自体が良くない。
発生の過程で、孵化しても成長の過程で、いろいろ負の要因が出てきてうまく育たないのは仕方ないことです。
でも♂♀2匹の個体が死ぬまでに2匹以上の子どもを残せば、
全体としてアカウミガメが減ることにはならないからこの生存率が決して悪いとは考えません。
いろんな試練を乗り切ってきた個体だけが生き延びられるのが、自然界では当たり前のことです。
アカウミガメだけがどんどん増えていくのも、生態系上不自然なことだから〜
うまく出来ていますよ、そういう意味では。

 

子ガメの成長      宮脇逸朗(串本海中公園センター)


 同じ親から生まれた子ガメでも、飼育される環境が異なると、成長に大きな差が現れます。
 
 写真はアカウミガメの子ガメを水温が異なる3個の水槽に分けて8ヶ月間飼育した結果です。
 最も大きく成長した
は、平均水温が25.1℃で飼育された子ガメで、
 成長の悪い
が飼育された水槽の平均気温は19.1℃でした。
 また中間の大きさに成育した
は平均水温が21.7℃の水槽で飼育されています。

 浮遊生活を行っている自然の子ガメたちの成長についても、
 風や海流で運ばれた海域や移動途中の水温環境で成長が異なると考えられます。
 また、子ガメの成長には、餌の質や量も不可欠ですが、
のように低水温の環境で飼育すると、
 与える餌を少量しか食べないので、結果として成長が遅れます。

                         『ウミガメは減っているか〜その保護と未来〜』(1994年) より一部抜粋 
                            
  紀伊半島ウミガメ情報交換会・日本ウミガメ協議会 共編
                                                 紀伊半島ウミガメ情報交換会 発行
 

 

姫路市立水族館の11匹の子ガメは、冬場も22℃で飼育されていた。
エサは5分ほどで食べ切る量しか与えられていない。
やはり体格の良い子ガメがガッツガッツとよく食べていた。

でも、なんでもかんでも〜どんどん大きく育てばいいとゆぅものではないらしい。
この秋に、2匹を残して、他の子ガメは回遊ルートや自然界での成長をしらべるために
標識をつけて徳島の海に放流される。飽食に慣れたカメだと自然界では生きていけないので、
逞しく締まったカメに育つようにとの配慮がされている。
残した2匹は2歳ガメの展示プールで1年過ごし、また次の秋に1匹を残して徳島の海に帰される。
そして残した1匹は3歳ガメの展示プールに移住し・・・・・・。
大プールも飽和状態なので、4歳以上になったら生まれた徳島の海に帰される。

とは言っても〜子ガメたちを見ていると〜呼びかけられずにはいられない。

みんな、大きくなぁ〜れ!

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