(3) 冬越し(子ガメ)・冬眠のさせ方 と注意点(姫路市立水族館仕様)


次のページを読まないで、このページだけ読んで冬眠準備をされる方へ

冬眠中のカメの命取りになるのは、何も食べないことではなく、急激な水温の変動です。
水換えして水温が変わると、それに合わせて基礎代謝も変動するので、
カメは余分なエネルギーを消耗することになり、体力を落とします。

冬場は水中の微生物や藻類なども不活性状態になるので、
水が腐って不衛生になる心配はありません

呼吸などの基礎代謝が落ちたカメは、水も飲みませんから、水換えは必要ありません。
また、澄みきっていない水が、冬眠のベストコンディションを保ちます。  

冬眠中であっても水換えや身体検査など夏場と同じお世話がしたい方は、
最初から加温越冬飼育をされることを強くおすすめします。
(2005年10月追記)


今年産まれの子ガメや体力のないカメの冬越しのさせ方 (姫路市立水族館)こちら!

今年生まれの子ガメの冬越しのケージ (うちのイシガメの場合)
 


 
親ガメの冬眠のさせ方

 10月半ばになると、カメは餌を食べなくなります。
 翌春までの半年間を、カメは夏の間に蓄えた脂肪だけで乗り切ります。
 無事に冬越しできるかどうかは、蓄えた脂肪の量で決まります。
 あなたの
カメがやせていなければ冬眠の準備を始めてください。
 水槽やポリバケツの底に
桜やくぬぎなどの枯葉を10〜20センチ敷いた後に、
 水を八分目まで張りカメを沈めます。
 容器にふたをして、春まで屋外の直射日光のあたらない、温度変化の少ない場所に置きます。
 水が凍りつかないように、おおいなどをすると良いでしょう。
                           
                               姫路市立水族館の公式HPの質問コーナーより

 
↑の説明を少し具体的に補足すると・・・  

(1)カメがやせていなければ〜

やせているか、いないかは、
甲羅からはみ出している脂肪の量で見分けられます。
後足の付け根からぷっくりはみ出してるのが脂肪。
足を甲羅の中に引っ込めていない状態でこれだけあるので
これはちょっと太り気味かもしれません。(^^ゞ
屋外飼育中なのでちょっとした気温の変化にも大変影響
されやすい食欲ですが、9月一杯はまだまだ食べるでしょう。
体重が急上昇するのも例年秋になってからです。
甲羅干しにもせっせと励んで、体温をしっかり上げて、
消化したものを身に付けようと頑張っているように見えます。
 


2002.9.8 カメール@アカミミガメ♀

(2)桜やくぬぎなどの枯葉〜  
   

 
Q1:どうして桜やくぬぎの枯葉がいいのですか?

   
ハゼの木などのように毒性のある枯葉もあるので、そんな心配のない枯葉、
   しかも冬眠の終わり頃になっても溶解したりせずに姿形が残っている枯葉、
   たくさん入手し易い枯葉、 それでドングリの実のなる木の枯葉はお勧めです。

 Q2:そのまま水に漬け込んでは、茶色の水になって灰汁のようなものまで出て来ますが?

   しばらく水に浸けて灰汁出ししてから冬眠容器に移し替えたらいいでしょう。
   茶色の水でなくなるまで、でも完全にしなくてもいいですよ。
   冬眠中は、その水を飲むわけじゃないですから。

 Q3:冬眠の途中で水の色が気になって来るんですが、水替えしてもいいですか?

   あんまりそうゆぅことはしない方がいいですねぇ。
   まだ冬眠の浅いゴソゴソしてるような初冬にはしても・・・・・
いいかも・・・しれませんが・・・・・
   冬眠にしっかり入ってしまった真冬には、なるべく触らないようにして下さい。
                                      
                                     姫路市立水族館(湯浅義明)
.

 
9月22日の山歩き会で、ドングリの実のなる木について教えていただいたので、ご参考までに↓
 
  落葉性のドングリの仲間(落葉ナラ類)はすべて
鱗片か針状の突起におおわれた殻斗(ドングリのおわん)を
もっているコナラ亜属の仲間で、日本の温帯林を作っています。

ここ兵庫県辺りでは、標高800m以下にコナラが、
中部地方ぐらいの気候の標高800m以上にミズナラ(オオナラ)
が自生しています。
カシワ・クヌギ・アベマキもその仲間。

木肌がボコボコ(ゴツゴツ)していて、
その樹液を好むカブトムシやクワガタの格好の住処。

  Q4:どんぐりの枯葉をカメの冬眠に使いたいのですが
   水に浸けると茶色く濁りますが、あれは何ですか?

   
タンニン。タンニンが樹の中にあると虫喰いにも強いんですが、
   樹はそれを老廃物として排泄しようとしています。
   だから垢が溜まるような感じで木肌がボコボコになるのです。
   また葉の中に押し込めて落葉させてることで出そうとしています。
   それで
枯葉色=茶色

Q5:タンニンは水に浸けとくだけで抜けますか?

   水溶性ですから、水に浸けとけば溶け出します。茶渋と同じ。
               

              姫路科学館「アトムの館」前館長(家永善文)

 
例年、冬眠中に水カビ病にやられてしまうイシガメが出ていたヤンマンさんちのカメ池で、
昨シーズン初めて落ち葉を入れて冬眠をさせてみたら1匹も発症しなかったそうです。
これが落ち葉の効用かどうかは分かりませんが、確かにカメ肌にはやさしいように思われます。

『落ち葉とその色水の効用】
@ 外敵から身を隠せる。
@ 光線をさえぎる。
@ 水温が外気温の変化に左右されにくくなる。
@ 水が凍結しにくくなる。
@ なにやらカメ肌に良さそう。

 
(3)水を八分目まで張り〜  200412月にWELCAME掲示板で質問があったので追記します。

【質問】
今朝もう1度「冬眠方法」を読み直したら「水は8分目」とありました。
・・・ゲッ!Σ(・ω・;|||半分くらいしか入れな かった・・・。
今から追加した方がいいでしょうか?
今ならまだ間に合うでしょうか?
冬眠容器は50p×30cm深さ20pの丸太を半分にした形の
栓がついているプランターを使っています。

返信】この説明を書いた飼育係さんに詳しく尋ねてみました。

『水を八分目まで』とは、
容器の表面が凍って、更にぐるりから底にかけてまで凍って、カメが凍ったりしないように、
「たっぷりの水を入れてやる」との意味だそうです。
容量が大きければ、それだけ外気温に左右されにく いので、八分目でなくても構わないそうです。
冬眠させる場所が寒い地域か、割と暖かな地域かでまた条件が変わるし、
同じ地域でも、置き場所が違えば様子が変わるので、このような大まかな説明になります。
ケースバイケースってことでしょうか。
それと、容器の大きさですが、冬眠させるカメのサイズによって違うので、
これも特定した書き方をしていないんだそうです。
甲長30cm近いカメであればそれなりに大きい容器で、
甲長10cmほどなら90cm水槽まで準備しなくてもいいだろうし、
普通であれば、家庭用のゴミバケツぐらいかな?

そぉいやぁ〜家で以前、冬眠バケツから溢れそうになったカメがおりました。(^^ゞ
http://kame55.cool.ne.jp/kc/seiikukiroku9.htm
このようにならなければ〜宜しいかと思います。(爆)

水の追加は問題ないとのことでした。

カメは、周辺温度が0℃前後になっても、血液は凍結しにくいですが、
体表が凍りつくと皮膚の組織は壊死をおこし、ぼろぼろになります。
また冬眠中でも時々息継ぎに浮上するので、氷が張ると窒息死の危険があります。
なので、カメを凍るような状況に置いてはいけません。

 


            冬眠についての A (淡水ガメ担当の飼育係さん)

 Q1: 冬眠をさせていて、2〜3月頃になって
    「なんかカメの様子が変だなぁ?」と思われる状態になった場合、
    冬眠を解除してヒーターで加温してやってもいいですか?

 A1: う〜ん、それはダメでしょうねぇ。
    人が異変に気付くような状態というのは、もう冬眠に力尽きてしまった状態なので、
    死んでしまうでしょうね。
    自然界でそんな異変を見つけられれば、すぐに他の生き物のエサにされてしまいます。
    冬眠モードに入っているカメを加温すると基礎代謝が急激に高まって、
    少ない体力をさらに消耗させる結果になるので、それはしない方がいいでしょう。

 Q2: では、『半冬眠法』はどうでしょう?

 A2: それについてくわしく勉強したことがないので、よくわかりませんが、
    冬眠は、人が簡単にコントロールできる類のものじゃないんで、私ならやりません。
    中途半端なら、初めから
加温法で冬越えさせた方が絶対安全です。
    
    特にご家庭で飼育されてる場合、
    エサをいっぱいやったつもりでも実は食べさせてないことが多いのです。
    飼育者の都合で、決まった時間に決まった量だけを与えてるのが普通でしょう。
    ここ姫路市立水族館では、冬眠明けからの丸半年間でひたすら食べさせて食べさせて
    半年分を蓄えさせるんですよ。

    夏場の屋外の池なんか朝一番で来てみたら、
    グチャグチャに食い残した餌のすごい臭いと水の汚れで
    とてもじゃないけどお客さんに来て見ていただけるような状態じゃないですよ〜。
    大急ぎで掃除してますけどね。
    限られた場所で、できるだけたくさん餌を食べさようとするのだから、仕方ないんですけど。
    それでも7割しか生き延びられない。
    普通で5割ぐらいでしょう。
 
    

 Q3: 「7割しか生き延びられない。」というのは、ちょっと驚きなんですが、
    どのように算出したのですか?

 A3: きっちり統計をとっての値ではなく、すべてのカメを入れての概算的なものです。
    力尽きて死んでしまう個体は、まず幼体がダントツで多いです。
    冬場でなくても幼体は死んでしまうリスクが高いですから。
    そして喰いの足りなかった成体、冬場に交尾などで動き回って消耗するイシガメ♂などです。
    子ガメの場合、冬越しして生き延びるのが半数くらいで、
    成体は生き延びる確率が高いですから、全体として、この7〜8割の値になります。

    cf. 姫路市立水族館の爬虫類飼育数=660(3月末現在)、年間死亡数208、計868
                            (2000年度の全国の動物園水族館の年次報告書による)

 Q4: 4月のお池掃除の時には死骸は見つかりませんでした。
    時期的には、いつ頃力尽きて死んでしまうことが多いですか?

 A4: まだ寒い2月の終り〜3月頃ですねぇ。
    手足を伸ばして沈没してるカメを持ち上げて見たら〜
    「あっ、、、死んでる。」なんてこともあります。

 

 
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