【30】

初冬〜

2002年11〜12月初旬 イシガメ池の冬眠支度
 

(4)冬眠の実際(2002年初冬、姫路市立水族館の沼ガメの池&うちの場合) 


〜イシガメ池の水位の変遷〜

10月22日


水場の水深はかなり浅い。
この時期には陸場にも水場にも
日差しが当たっていた。

左隣のビオトープの植物は
枯れ始めているが
よく繁茂していた。
 
11月7日

水位が上がって
陸場はほぼ水没している。
11月に入ってからは
全く餌やりをしていない。
11月28日

3週間前よりも更に水位が上昇。
太陽高度が下がり山影になって
日光はほとんど当たらない。

陸場から水場にかけて
植物がびっしり敷き込まれている。

 

この葦のような植物には見覚えがあった。
10月の終わり頃、隣のビオトープで立ち枯れしていたのを
飼育係さんが鎌でせっせと刈り込んでいた。

マコモ(真菰)
イネ科の多年草。高さ1〜2mで沼沢に大群生をなして自生。
葉はむしろにし、種子と若芽とは食用にする。(広辞苑より)

それを捨てずに取って置いて、再利用したのかな?
しかし、ドングリや桜の落ち葉ではない。
腐ったりしないのかな?
冬眠明けの春先まで形をとどめていられるのかな?
それに水面全体を覆っているのでもない。
何かイシガメ的に深い意味があるのかな?
見れば見るほど疑問が湧くイシガメ池の冬眠支度。

 

イシガメ池の冬眠支度について(淡水産カメ担当の飼育係さん)


Q1.イシガメ池にびっしり入れられた葦のような植物は、ビオトープに生えてたものですか?
   落ち葉ではないですが、冬眠の途中で腐ったりする心配はないですか?

A1.そうです、ビオトープに生えてた・・・・マコモ(後でタガメ博士に教えてもらった)です。
   腐るかもしれませんねぇ〜わかりません、初めてですから。
   まだ寒い春先までは多分もつでしょう。その頃にはあっちの池にイシガメを戻しますしね。

Q2.ドングリや桜の落ち葉じゃないですが、このマコモを入れ込んだのには何か訳があるのですか? 

A2.いえいえ〜そこにあったのをバサッ!と放り込んだだけのことで〜(^^ゞ   
   別になんでもよかったんです、毒性さえなければ。
   葉っぱでも、樟脳の成分を出すクスノキ(楠)とか、ウルシ(漆)などはダメですよ。
   暗渠にするために入れました。

Q3.アンキョ?・・・・暗渠ですか!そこにイシガメが潜り込むんですね?

A3.冬眠と言っても、イシガメの場合、寒さに強く、冬場でもゴソゴソ動き回っています。
   館内飼育の冬眠組の沼ガメたちはまとめて冷蔵庫で冬眠させますが、
   イシガメは冷蔵庫の中でもゴソゴソと動き回ってしまうぐらい寒さに強いです。
   沼に住むクサガメやアカミミガメとは全然別物の川ガメって感じがします。
   それで体力が持たなくて冬眠に失敗する個体が多いので、イシガメは加温越冬させてます。
   この池の中でも具合の良い場所=温度変化が少なくて居心地が良い場所を探せるように、
   何層にもなった暗渠に滑り込むような形で冬眠させようとしているわけです。

Q4.元のあちらの池には、そのようなものは準備されていませんが、 大丈夫ですか?

A4.あちらの池は容量が大きいので、外気温の変化が すぐには影響されません。
   それに冬場でも割と日が当たるのでアオコが生えてグリーンウォーター状態が保たれています。
   そうなるともっと外気温に左右され難い。
   だからマコモを敷き込む必要はありません。
   でも、こちらのイシガメ池は容量も少なく、冬場はほとんど日が当たらないのでアオコも出ない。
   気温の変化が即、水温の変化になりやすいので、この暗渠が必要なのです。

Q5.カメにとって好ましい冬眠場所というのは、水温変化がほとんどない場所ってことですか?

A5.そうです。
   広い池の中でどこでもいいのではなく、好ましいスポットというのは限られているようです。
   単独生活するカメが一箇所に集まって冬眠しているように見えるのは、
   その好ましい場所に我も我もと集中するからかもしれません。
   以前、錦鯉が映えないからとの理由で改修工事をした池があったのですが
   底の泥をさらえて底面をきれいにし、水もアオコがでない澄み切った状態に保つようにしたら、
   冬眠中のはずのカメがバタバタ死んでいった・・・ってことがありました。
   見た目が汚くても、カメにとっては水温変化が少ない泥地やグリーンウォーターは大事です。

 


←12月2日のお池

時間帯によっては日差しがあり
アカミミガメが甲羅干し。

クサガメの姿は見かけない。
早々に冬眠した模様。

スロープのぎりぎり上まで
水量が増えている。
水は透明度が落ちて
アオコが発生しているようだ。


11月28日、沼ガメの池より
南方向の手柄山を見上げる。
この山影に入ってしまうので
秋〜冬、幅の狭いイシガメ池には
ほとんど日が射さない。

 



  ついでと言っては何ですが〜我亀のカメールの冬眠状況について気になる点を尋ねてみました。

Q6.落ち葉の色水が気になるんですが、じゃぁ、水替えをしてはいけませんか?
   ちょっとだけ・・・一部だけ入れ替えるとかもだめですか?

A6.いけません。  
   透明で澄み切った水では、バケツの周りの外気温の変化が直に水温変化になって表れます。
   グリーンウォーター状態にならないバケツでは、むしろあの色水がいいんです。
   桜やドングリの木の枯葉から出る色には毒性がありません。

Q7.生きてるかどうか? 水カビ病なんかにかかってないか? すごく心配ですぅ。
   ちょっと確認のためにカメを引き上げてもいいですか?

A7.いけませ〜ん。(半分苦笑〜)
   カメは一番水温変化の少ない場所を自分で選んで仮死状態を保っています。
   バケツの肌を通して外気温に左右されるような場所ではなく、
   何層にも重なった落ち葉の間の或る特定の場所です。
      落ち葉の持続的なほのかな発酵熱で周囲の凍結を防いでいます。
   確認のためにカメを引き上げると、仮死状態の好ましい状況を変えてしまいかねません。
   引き上げて元に戻したつもりでも、落ち葉の具合が変わったり好ましい水温が微妙に変化します。
   冬眠中のカメの命取りになるのは、何も食べないことではなく、急激な水温の変動です。
   低ければ低いように一定であること、少し高めでも温度に波がなくて一定であること、これが大事。

   水カビ病が出るのは、すっかり冬眠状態に入ってしまった酷寒の頃ではなく、
   水温が変化しつつあるような冬眠間もない頃や冬眠明け間近の頃が多いです。
   元々冬眠する体力がないようなカメがかかる病気なので、出てしまったら・・・仕方ないですね。

Q8.カメが冬眠から覚めてきたら、どうしてやればいいですか?

A8.暖かくなって来たからって起こしちゃいけませんよ。( ̄ー ̄)ニヤリッ  ←起こす様な飼い主だと見破られている〜!
     
冬眠状態に入るまでに時間がかかったように、完全に覚め切るのにも時間がかかります。
   放っておいてやってください。
   カメのペースで5月の連休頃までには完全復活しますから。

Q9.飼い主には精神衛生によくない〜耐え難い冬眠ですが、何かしてやれることは?
   
A9.冬眠は非常にリスクが高いです。
   その成否は夏場の餌やりにかかっています。
   夏場の半年間で少々グロテスクに太ってもしっかり食べさせ1年分の栄養を摂らせること、
   それと水温変動の少ない冬眠環境を整えてやること、
   そして冬眠したら何もしないで放っておくこと、
   飼い主に出来るのは、それだけです。
   
Q10.(↓のカメールの冬眠支度の様子をお話して)何か改善点がありますか?

A10.落ち葉の量も十分なようですが、寝ぼけ眼で息継ぎに上がって来る時に、
    斜めに木を入れて置いてやると、カメがそれを伝って来て上がりやすいですよ。
    

♪あれが〜カメールの〜冬眠〜する場所

建物の間の軒下で全く日が射さない。

♪そぉ〜っと のぞいて 見てごらん〜

48リットル容量のポリバケツ(¥398)を
底から側面にかけてプチプチのクッションでおおっている。
水深=約40cm、落ち葉=目一杯。
追加分の落ち葉の灰汁抜きが不十分だったようで薄めの番茶色。
例年、日が経つとこれより更に色付いて紅茶色になる。
     今後の作業予定 (1)息継ぎに上がってくる時の足場になる木を斜めに入れる。
                (2)更にポリバケツの周囲を断熱材でぐるぐる巻きにする。
                (3)バケツの蓋にも断熱材を被せる。
                (4)幸運を祈る。

                   2003.1.12 冬眠バケツ
               

 

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