【18】   霜降〜立冬   2001年11月6日 開園直後  引っ越してきたワニガメ
     

は池のあちこちに
浮かぶエサの食べ残し。
食欲も落ちてきたようだ。
朝9時半過ぎ、晴れ。
気温14℃
まだ日差しが届かない。
それでも水場から出て
スロープを登っている。

甲羅干しスペースが
なんだか狭くなったように
思えたが、よく見ると
池の水位が上がっている。
冬水位=40cm
夏水位=20cm
沼池も冬モードに入った。

11月6日の池の端

サミ〜ル

7月13日の池の端

またまたサミ〜ル
       
 

沼ガメの池の右隣(ビオトープ)のさらに隣に幅1m程のウナギの寝床みたいな飼育スペースがある。
日頃、小亀ばかりいるかと思えば、最近は大亀ばかりが集められてたりして、使用目的が?な池。
その中に飼育係さんが入って、大アカミミガメをみんな移し出して、別のカメを入れ始めた。
それって、・・・・・ワニガメ?!
そぉ、でっかいアカミミガメよりもちっと大き目のワニガメ2匹!!
そしてバルブの栓をひねって、この池に注水し始めた。

 
そこへさらに大きい3匹目が入れられて〜 館内水槽からの温水は乗っ取られたが〜 最後の6匹目、堂々の土俵入り〜!
     
   
この6番目の移住亀、飼育係二人がかりで運び込まれてきた。
入れ物から移し出す時〜
「はて?どこを掴んだらいいものやら〜?」
みたいな飼育係さんのおっかなびっくりの手つきに思わず苦笑。
このワニガメ、モップの柄をバッキン!と噛み千切った実績がある。
だから笑い事ではないんだけれど〜。
でも口を開けて威嚇する様子もなく、池に入ったらじぃーっとしていた。
この池幅の1mから察すると、甲長50cmぐらいもあろうか。
体重は約30kg。 
15年程前にアメリカの動物園より入館。
ウミガメほどデッカクはないけれど、岩石〜!って存在感がある。
他の5匹は、捨てられて保護されたり、飼い主に持ち込まれた個体。

カメ池観察デッキの真下に集まる小中ワニガメ4匹
この奥に、仕切り板があるのだが

これでは簡単にワニガメに破られてしまって危険だとかで・・・
 

レンガのようなブロックでバリケードを築いくことで一件落着。

 
Q1: このカメたちは、館内の『捨てられたペットたち』コーナーに展示されていたワニガメだと思いますが
    屋外に引越ししてきたんですか?

A1: そうです。今日からここが住み家になります。 館内では飼えなくなりました。
    
動物保護法の改正
脚注により、危険動物は館内には展示できなくなりましたから。
    
(危険種の動物を飼う場合、動物園・水族館でもペット店でも一般家庭でも、
     柵を二重にしたり檻を頑丈にして脱走防止に務めなければならないことになったから)

Q2: えぇー! 確かに危険ですが、危険物とは〜!?
    水槽の上を透明なアクリル板みたいなので覆ってあったじゃないですか。それでもダメですか?

A2: 予測される危険はすべて避けないといけないんです。
    例えば、展示水槽の丈夫なふたをハンマーで叩き割ってワニガメに触れようとする人がいるかもしれない。
    もしもその人が噛み付かれて怪我でもしたら、水族館側の管理者責任になりますから。

 
    
ふぅ〜ん、そんなの〜やらかす人の方が〜よっぽど危険物だと思うけど〜。 ひょっとして〜いるかもしれんなぁ〜???

Q2: これから寒くなるのに、ここで冬を越せるんですか?

A1: アメリカとカナダの国境の五大湖にも住んでるくらいですから、寒さにはかなり強いです。
    水面にしっかり氷が張ってしまって呼吸しに浮上した時に息ができなかったら死にますが。
    ここらへんの気候では大丈夫です。

 

かくして、次回からお池のカメに会いに行けば、まずはワニガメたちに挨拶することになる。

 


捨てられるワニガメとカミツキガメ  栃本武良(姫路市立水族館)

 姫路市立水族館の夏休み特別企画展示「捨てられたペットたち」は大きな反響を得て終了した。
 なぜこのような企画をしたのか?
 それは昨年あたりから野外で捕獲保護されたり、飼い主に見捨てられ水族館で収容してほしいという事例が
 ポツポツと続き、第2第3のミドリガメ(今や野生化しアカミミガメという和名を与えられている)になる恐れを
 感じたからである。  ・・・・・

 熱帯産の動物の場合は冬になれば日本の厳しい冬を凌ぐことはできないので、そんなに問題になることはない。
 とは言え、温泉水の流れる川ではグッピーもティラピアも野生化している現実があり油断できない。 ・・・・・
 アカミミガメの場合には当地方では野外における繁殖も確認され、当館の屋外飼育池では、真冬に氷を割って
 積雪の上に出て甲羅干しをしているくらいで、日本産のイシガメなどより低温にも強く、
 その他の全ての生活力を比較しても米国産の方が上回っている。

 ワニガメとカミツキガメの保護も続々とあり、このままでは収容限界をオーバーすることになる。
 持ち込みを断れば結果は明瞭だ。
 放流は良い事かのような錯覚が捨て亀を頻発させることにつながっている。
 日本では昔から、寺社の池にカメを放すと長生きできるといった言い伝えがあり、
 長生きのシンボルとしての生活の場を得てきた。
 今ではこれらの池が米軍に占領されそうになっている。
 つまりアカミミガメの大量な放流が原因である。
 その池にワニガメやカミツキガメの顔が覗くのも時間の問題であることは確実だ。
 野放しにして日本の生態系を乱すことは避けたいので、アカミミガメを次々と引き取っていた。
 カメの飼育池は大量のアカミミガメでひしめく結果となったのは言うまでもない。
 ・・・・・
 動物園や水族館で収容できる量は知れている。
 これらの施設が野良犬の処分場と同様のことになりかねない。
 私たち飼育係は、生き物を良い状態に保つのを仕事としている。
 カメ達を永眠させる業務はやりたくない。
 飼い主の責任の元で実施してほしいものだ。
 また、法的な規制も考えねばならないと思う。

 商品名ミドリガメは1年中同じ大きさのものが店頭に並んでいるために、
 あれ以上大きくならないと誤解されている面がある。
 孵化のための温度調節によって常に孵化直後の小さく綺麗な緑色の小亀が出荷できるシステムができあがっている。
 昨今のワニガメやカミツキガメもどうやらこの軌道に乗ってきたようで、
 子供たちの小遣い銭で購入することが容易になってきた。
 そのため多数の子ガメが育てられ、飼育の限度を越えた成長によってこっそり捨てられたり、
 水族館などへ持ち込まれたりする結果となっている。
 ・・・・・
 中には動物の名前も知らずに、単に可愛いとかカッコいいということで買う人も多い。
 飼う(買う)前によく調べて、その動物の一生の面倒を見ることができるかどうか考えるべきである。
 アカミミガメも噛む力が強く嘴も鋭いが、ワニガメやカミツキガメはさらに強力である。
 甲長も体重も普通の家では飼育が不可能なサイズにまでなる。
 ・・・・・
 当館の捨てられたペットの常設展示水槽で、彼らの姿をしっかり見た上で、買うのはやめてほしい。
 買う人がいなければ売る人もいなくなる。

      かめだよりNo.2, 1999年12月 P.7〜8  日本かめ自然誌研究会発行 より一部抜粋

 

因みに、ミドリガメは、年間の輸入数が1000000頭と言われている。

2000年9月 第6回日本野生動物医学界大会 講演要旨集
国内事例報告2 爬虫類帰化の現状について  栃本武良(姫路市立水族館) より

 


脚注 正式には『動物の愛護および管理に関する法律』 平成12年12月1日施行
    動物を いじめる 殺す 捨てる ひどい飼い方をすることは、この法律違反で処罰される。
    
    第5章 罰則 第27条
    ▲ 殺す いじめる 100万円 以下の罰金又は1年以下の懲役
    ▲ ひどい飼い方   30万円 以下の罰金 (餌や水を満足に与えない ひどい飼い方等)
    ▲ 動物を捨てると  30万円 以下の罰金

    ひどい飼い主や いじめ 動物を捨てた人 多頭数迷惑飼育者 ひどいペット店を見たら
    
警察署か保健所 動物愛護団体等にその場で通報してください          社団法人 日本動物福祉協会 阪神支部 

                                     (姫路市立水族館 館内『捨てられたペットたち』コーナーの展示板より)

 
余談でありますが〜、
この法律により、ペットショップなどでは、ワニガメやカミツキガメを商品としてしっかり管理して置いておくことが難しくなり
(手間や経費をかけて維持管理してたら採算に合わなくなるってことか?)、
だんだん陳列しなくなるだろうと推測されるそうです。
『売る人がいなければ買う人もいなくなる。』 
では〜飼う人もいなくなるのかと言えば〜NO!
お店でGETできなくてもGETが可能になってきているらしい。
原産地にわざわざ出向かなくても、日本の川や池でGETが可能な状況にあるから。
千葉県のI沼辺りでは野生化したカミツキガメが繁殖し始めているらしいことが、今年の日本爬虫両生類学会で報告された。
年々捕獲される数が増えてきている→ 捕獲しているにもかかわらず一向に減らない→ 繁殖して増えているとしか考えられない。
農家の人がカミツキガメに長靴の上から噛み付かれたそうな。怪我はなかったそうだけど。
えらいこってす。
以上、カメ先生のお話でした。 (11月15日)

 
♪〜沼季〜♪indexへ   WELCAMETOP
inserted by FC2 system