【17】   寒露〜霜降   2001年10月21日 カメの飼い方のモデル展示水槽
     

屋外にある沼ガメの池とば別に、館内にヌマガメを展示している場所がある。
冬の間、ヌマガメの飼育をどうしたら良いかという疑問に答えてくれる展示水槽。

 
今年生まれの子ガメや、体力のないカメは〜加温法 成体の冬眠法
横幅約120cmのガラス水槽  左右の一番深い所で水深11cm
ここにアカミミガメ20匹&クサガメ9匹&イシガメ3匹が ぬっくぬくぅ〜で同居中
ポリバケツの水底で
枯葉に埋もれて冬眠中?のイシガメ
   

加温法に使われている器材

カバーをかけたヒーター & 投げ込み式フィルター

設定温度25℃

白熱灯

底面式フィルター

25℃

         
                
               
器材に関する A(淡水産カメ担当の飼育係さん)

 Q1: ろ過器として投げ込み式フィルターと底面式フィルターとが使ってありますが、
     両方使った方が効果的だということでしょうか?

 A1: ここには32匹もの子ガメがいて、その糞の量やエサのかすがものすごいんです。
     それで両方のフィルターを使ってろ過をしています。
     この水槽の裏には水道設備がないので、水槽の水替えが頻繁に出来ない事情もあります。
     投げ込み式フィルターは、餌の残りや汚物をとてもよく取り込んでくれます。
     すぐに取り外して、ささっとすすいで汚れを取り除くことができるので便利です。

 Q2: 自宅でもこのようにした方がいいのでしょうか?

 A2: お家ではこんなにたくさんのカメを1つの水槽で飼育することはないでしょうから
    汲み置きの水を2日毎くらいに一定量入れ替えるぐらいで問題ないと思われますが。

 Q3: 紫外線ランプなどではなくて白熱灯だけでいいのですか?

 A3: 熱を出す白熱灯がいいです。
     手前の蛍光灯は、展示物を見せるための照明であって、飼育とは直接関係はありません。

 Q4: ヒーターの上が温かいから家のカメも乗っかりたがりますが、そのためのカバーですね?

 A4: いいえ〜、上に乗っかるのは割と問題ないんです。
     熱くなればカメは勝手に移動したりして自分で調節しますから。
     困るのは、カメの習性としてヒーターと下の砂利との間に潜り込みたがることです。
    潜り込んでしまったら火傷しても出てこられないので死んでしまいます。
    そのためのカバーです。

 Q5: 25℃に設定されていますが、これをキープする必要があるんですね。

 A5: 近頃は、このように設定したりしなくてもいいセンサー付きのヒーターがありますから、
     それを使えば簡単です。
     また機密性の高いマンションとかだと冬場でも室温が温かいので、
     20℃以下に下がらなければ大丈夫でしょう。
     ただし、いつも在宅されているなら問題はないんですが、暖房を切って外出などされて
    一時的にでも急激に温度が下がってしまうような変化があった場合、危険です。
    低温になることよりも、温度の急激な変化の方が命取りになります。
   

                                                     イシ ガメ  
 





ここが一番温かい〜♪ (水面反射で倍に見えてます)

 

なぜか陸場はクサとアカミミばかり

 

 

イシガメ babysは、それぞれ、フィルターの影・陸場の周囲・水槽の隅っこに陣取っていて、甲羅干し場にいる姿を見ない。なぜ〜? 

ちょっと水中散歩〜♪

ん?みんな気持ち良さげだなぁ。

でも、オイラは陸場よか・・・・・・・

こっちの隅っこがいいのさ。

       
〔アカミミガメ20匹&クサガメ9匹&イシガメ3匹〕のアンバランスな展示数が気になったので、問うてみた。
                       

                     
イシガメに関する 

 Q1: なぜイシガメは3匹しか展示してないのですか? 孵化した個体が少なかったからですか?

 A1: いえいえ〜、そういう訳ではありません。
     生まれて最初の頃、同じように飼育してもイシガメの育つスピードがすごく速いんですよ。 
     アカミミガメやクサガメに比べて、どんどん大きくなってしまって
     赤ちゃんガメのイメージがなくなってしまう。
     イシガメだけでっかいのが目立ってしまうので、最初から少ない個体数しか入れてないんです。

 Q2: えぇーっ! イシガメはそんなにたくましいんですかー!? 
     もっとひ弱かと思ってました。。。

 A2: 理由はわかっていませんが、幼い頃はアカミミガメやクサガメよりもかなり強いです。
     自然界の中で、早く大きく育たなければならない事情があるのかもしれません。
     イシガメの生態自体が実はよくわかっていないのです。
     低温に強く、自然界では集団で冬眠していることがあったりして、真冬に交尾することもあります。
 

 

成体の冬眠法       詳しくは【14】冬眠情報(2)を参照してください。

←ポリバケツの水底で枯葉に埋もれて冬眠中?のイシガメ〜

 実は〜これはイシガメのフォルマリン漬けの標本。
 生きているカメを本当に冬眠させて展示するには
 冷凍機で5℃以下に保たなければならない。 
 マナーの悪い観客がガラスをドンドンと叩くので
 カメも冬眠どころではないので 止むを得ないことなのだそうな。

   これをフォルマリン漬けだなんて全く思いもせず、いつ見ても同じかっこうで動かないので、
   このような完璧な冬眠をしない我亀をアブノーマルだと思っていいました。

   

                    冬眠についての A 

 Q1: 冬眠をさせていて、2〜3月頃になって
     「なんかカメの様子が変だなぁ?」と思われる状態になった場合、
     冬眠を解除してヒーターで加温してやってもいいですか?

 A1: う〜ん、それはダメでしょうねぇ。
     人が異変に気付くような状態というのは、もう冬眠に力尽きてしまった状態なので、
     死んでしまうでしょうね。
     自然界でそんな異変を見つけられれば、すぐに他の生き物のエサにされてしまいます。
     冬眠モードに入っているカメを加温すると基礎代謝が急激に高まって、
     少ない体力をさらに消耗させる結果になるので、それはしない方がいいでしょう。

 Q2: では、『半冬眠法』はどうでしょう?

 A2: それについてくわしく勉強したことがないので、よくわかりませんが、
     冬眠は、人が簡単にコントロールできる類のものじゃないんで、私ならやりません。
     中途半端なら、初めから
加温法で冬越えさせた方が絶対安全です。
    
    特にご家庭で飼育されてる場合、エサをいっぱいやったつもりでも
    実は食べさせてないことが多いのです。
    飼育者の都合で、決まった時間に決まった量だけを与えてるのが普通でしょう。
    ここ姫路市立水族館では、冬眠明けからの丸半年間でひたすら食べさせて食べさせて〜
    半年分を蓄えさせるんですよ。

    夏場の屋外の池なんか朝一番で来てみたら、グチャグチャに食い残した餌のすごい臭いと
    水の汚れで、とてもじゃないけどお客さんに来て見ていただけるような状態じゃないですよ。
    大急ぎで掃除してますけどね。
    限られた場所で、できるだけたくさん餌を食べさようとするのだから、仕方ないんですけど。
    それでも7割しか生き延びられない。
    普通で5割ぐらいでしょう。
 

 Q3: 「7割しか生き延びられない。」というのは、ちょっと驚きなんですが、
     どのように算出したのですか?

 A3: きっちり統計をとっての値ではなく、すべてのカメを入れての概算的なものです。
     力尽きて死んでしまう個体は、まず幼体がダントツで多いです。
     冬場でなくても幼体は死んでしまうリスクが高いですから。
     そして喰いの足りなかった成体、冬場に交尾などで動き回って消耗するイシガメ♂などです。
     子ガメの場合、冬越しして生き延びるのが半数くらいで、
     成体は生き延びる確率が高いですから、全体として、この7〜8割の値になります。

    cf. 姫路市立水族館の爬虫類飼育数=660(3月末現在)、年間死亡数208、計868
                            (2000年度の全国の動物園水族館の年次報告書による)

 Q4: 4月のお池掃除の時には死骸は見つかりませんでした。
     時期的には、いつ頃力尽きて死んでしまうことが多いですか?

 A4: まだ寒い2月の終り〜3月頃ですねぇ。
     手足を伸ばして沈没してるカメを持ち上げて見たら〜
     「あっ、、、死んでる。」なんてこともあります。

 


 
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